2019 年 10 月 8 日〜 18 日の間、1 日のオフを除いた 10 日間ニュージーランドの Van Roon Martial Arts で出稽古をさせて頂きました。
道場長の Carl Van Roon コーチは、選手として ITF をはじめとした数々の世界チャンピオンの実績を持ち、指導者としても数々の選手を輩出している世界でも名高い格闘家です。
そんな有名な道場で指導を受けトップレベルの選手らと共に練習できたことは、とても貴重な経験となりました。
これまで経験してきた練習とはまた違ったスタイルで、例えば組手向けの練習を行う Competition Squad クラスでは、稽古が始まる前には各自のストレッチ等は済ませている前提、稽古の開始時間にはファウルカップからマウスピースまで防具をつけた状態でスタートなので、いきなりアップでマススパーなんてことも多々ありました。ミット蹴りは一切無く (型や基本動作を行うクラスでは行なったが) 90 分ひたすら対人のコンタクト練習。それ故か色帯やジュニアも皆打撃への距離感やカウンターといった反応が優れていると感じました。
またテコンドー選手でもほぼ全員がキックボクシングも経験していることや、パンチの練習がほぼ毎回あることから、組手中のパンチへの対応もガチャガチャせずにスウェーやボディといったボクシングテクニックも使いこなしていることが印象的でした。その他前足の牽制で軸足を動かさないことを徹底していたり、1 ポイントの勝ち残りや 20 秒といったテンポの速いスパーリングを毎回行っていて、ポイントゲットに特化した競技向けのクラスでした。
こうした競技志向の高い選手クラスや、課題を中心とした基礎を着実に行うクラス、赤帯以上の上級者向けやキックボクシングといった細かいクラス分けができる前提には、常設道場、会員数とその質 (フィットネスか選手か) 、サブコーチ等といった条件があります。
もちろんこれが絶対的な成功モデルかはわかりませんが、世界に通用している強豪道場の一つがこうであるからには、目指すべき姿であると個人的には感じました。
休憩や柔軟も日本に比べ短く、そのような違いにどちらが良い悪いとは思っていませんが、こういった練習スタイルもあるのだという幅広い視野を身につけ、伝えられる経験になりました。
選手の方々の大きな目標にワールドカップ等へ出場することがあると思いますが、初戦で負ければ数十万円が 3 分で終わります。もちろんそれでも自分次第で大きな成長へつなげることができますし、私自身そうでした。しかし同じ時間やお金でも、また違った大きな成長が見込める様々な選択肢が可能だということを是非考えるべきだと思いました。
とは言え今回の出稽古は様々な方の協力やご縁のおかげで実現したことであり、Van Roon 道場長をはじめ本当に感謝しております。ただやりたいからと言って実現できた事ではないのですが、挑戦したいことがあるのなら何かしらアクションしてみないことには始まりません。今後も様々に挑戦し成長していきたいと思います。
寄稿: 滝沢選手 / 準指導員 (南大泉, 北区テコンドークラブ)