第 3 章    テコンドーの起源    〜ITF 技法に関する創始者の証言


※ITF 技法に関する創始者の証言 (2001 年 5 月北京空港にて)

韓国の「고수를찾아서/達人を訪ねて」という本の中でのインタビュー記事を抜粋

翻訳:金省徳
※ 読者に対するインタビュー内容の理解を促すためキムズノート第 5 章の参照を薦める 
聞き手:
サインウェーブやアップダウン理論はいつ作られましたか?
崔総裁:
私が朴正熙と戦ったからテコンドーができました。
朴正熙と戦って負けたから軍の団長を止め、マレーシアの大使になったし、そこへ行ったから 65 年にテコンドーの本が世に出せました。
マレーシアで過ごした 2 年半の間に大使館のすべてを活用しながらテコンドーの本を書き下ろし、そして、72 年にはまた、静かに亡命の道へと出立しました。
そうやって、カナダに来たからテコンドー百科辞典を書くことができました。
12 年が費やされました。
そして、カナダに来たから科学を知ることができたし、力の原理を、そして、エネルギーのことを知ることができました。それが正にサインウェーブでした。
聞き手:
総裁が直接発見して考案されたのですか?
崔総裁:
そうです。私以外に誰かがしましたか?
聞き手:
サインウェーブでテコンドーが武術として一段高い次元に上がったようですね。
崔総裁:
サインウェーブによって 12 倍の力が出せるようになりました。
空手や WTF とは比べ物にならないでしょう。
空手は日本人の戦争戦術と同じです。
「…万歳!」「突撃!」と叫びながら前方だけに突進して、皆殺しの目に会うこともある。
しかし、連合軍の戦術は違う、いくらでも後退するし、また、そうしながらも攻撃し、そして、前進しながらも防御ができるのです。
これが、テコンドーが他の多くの武術と違う点です。
また、ここに孫子の兵法理論が加わっています。
空手は、なぜか身体が強張り、まるでロボットのようです。
反面、テコンドーはしだれ柳といえる。
しかも、速度を出して、滝から落ちる水のように力を出す。
これが、サインウェーブです。
聞き手:
私どもはサインウェーブをテコンドーの革命的発展として評価しています。多くの武術を見ましたがこのように体系的に整理された武術は珍しいです。
崔総裁:
ありがとう。 WTF は手を使わず足ばかりを使うが、それは使い物にならない。
そうやって、続ければ、つまり、簡単に言えば「死んでしまう」。
テコンドーがただ、いくつかの動作だけを行うものではないでしょう。
誰かに捕まったとき、棒をもってかかってこられたとき、座っているとき、立っているときなど、すべてにおける状況に見合った動作を作ったのがテコンドーなのです。
意志があって財力のある人がいるとすれば、外国人師範を韓国に招待し、学ぶこともできるはずです。
ロシア人、アメリカ人、日本人、どこも良い。
外国人に、頭を下げてテコンドーを習うようになれば、そのとき初めて韓国でテコンドーを習っ人たちは「自分がこれまで騙されていた」「空手を習っていた」、「偽テコンドーだった」と知ることになるでしょう。
日本では 81 年から ITF を無くすために WTF を押しました。
そして彼らは「WTF は空手だ。空手だったら正直に空手といえば良いのに、なんでテコンドーだと言い張るのかわからない。」と言っています。
ITF が普及された国は、現在 132 カ国あり、修練生の数は数千万もいます。
人類の歴史上、このような武道はありませんでした。
私は50年もかけ今日のテコンドーを作りました。
私が普通の人の 10 倍は働くから、50 年としたら、だいたい 500 年くらいかかることになるだろう。
韓国にそのままいたとすればそれもできなかったはずです。
外国に出たからできたのですよ。